死んだはずの母が生きていた。あの頃とはすっかり変わり果てた姿で……。三姉妹は祖母が遺した手紙を手がかりに、真実を探し求める旅に出る——。
19年前、なぜ母はわたしたちの前から姿を消したのか?
なぜ約束を守ってくれなかったのか?
母へのわだかまりを抱えたまま大人になり、それぞれ別の街で恋や家庭、仕事に奮闘する三姉妹。彼女たちがともに母の過去を辿り、自分たちの傷に向き合い、未来への一歩を踏み出そうとする時、ある懐かしいメロディーが流れ出す。
心温まる音楽と旅情にのせて、今を生きる女性たちの愛と葛藤を描いた珠玉の映画が誕生した。
結婚を控え、過去のトラウマを乗り越えようとする次女役に比嘉愛未。夫のモラルハラスメントから必死に抜け出そうする専業主婦の長女役にミムラ。老舗料亭の新女将としてプレッシャーと戦う三女に佐々木希。それぞれの凛とした佇まいに加えて、ピアノの猛練習を積んだ彼女たちが、三台のフルコンサートグランドピアノで「パッヘルベルのカノン」の三重奏を実演するクライマックスは必見です。三姉妹の母親役には鈴木保奈美。アルコールに溺れ、やがて認知症になるまでの壮絶な姿を全身全霊で演じます。母と姉妹をつなぐ気丈な祖母役には多岐川裕美。そのほか、桐山漣、長谷川朝晴、古村比呂、島田陽子といった実力派の豪華共演が実現しました。
監督は、鹿児島県錦江湾遠泳大会に挑む小学生たちの成長物語「チェスト!」(2008出演:松下奈緒、角川日本映画エンジェル大賞受賞、香港フィルマート日本代表作品)や、小さな町のアマチュアオーケストラの奮闘を描いた「リトル・マエストラ」(2013 主演:有村架純、上海国際映画祭日本映画週間2013招待作品)などが国内外で高く評価された雑賀俊朗。「チェスト!」の脚本家 登坂恵里香と再タッグを組んだ本作では、アルコール依存性がもたらす家族の断絶、トラウマ、モラルハラスメントといったシビアなテーマに深く切り込みながらも、三世代の女性たちの絆を優しい眼差しで描き、爽やかな感動をもたらします。
物語の舞台は富山県黒部市、石川県金沢市、東京。
豊かな海と山に囲まれ、独特の豊かな歴史や自然に恵まれた北陸の風景もまた、本作の重要な部分の一つです。
ドラマチックな演出、繊細な演技、美しい景色と音楽に彩られたヒロインたちの想いが、観る人すべての胸に切ない余韻を残す「カノン」。

2016年秋、忘れられない、物語が幕を開けます。